個別指導をしている塾は、Aくん一家の家から一駅離れた、駅前にあります。Aくんの中学からはちょうど帰り道の途中にありました。Aくんとお母さんは、Aくんの中学の前で待ち合わせて個別指導のある塾へ向かいました。
個別指導のある塾では、丁度これから授業が始まるところでした。Aくんとお母さんが緊張の面持ちで応接室に座っていると、中年の恰幅のいい男性が応接室に入ってきました。Aくんとお母さんは、立ち上がって挨拶しました。「どうぞ緊張なさらないで何でも聞いてください」男性はにこやかに言いました。もらった名刺には塾長と書いてあり、Aくんとお母さんはまた緊張してしまいましたが、聞きたいことを聞けるのは今しかないと、いろいろと質問してみることにしました。授業料のこと、時間のこと、志望校のことなど・・・・・・。Aくんとお母さんは、思いつく限りのことを沢山質問しましたが、塾長は何でも明快に、明るく答えてくれて、Aくんとお母さんは安心しました。
個別指導をしているのは、ひとりひとりに決め細やかな対応をしたいからだ、と塾長は言いました。まずは一対一のほうが相手のことがよくわかるし、不安も解消されやすいとのことでした。「Aくんは、そんなに家で勉強していなくてもそれくらい成績がいいのなら、私どもの塾に通えば必ず志望校に合格できますよ。志望動機も明確だし、大丈夫、頼もしいですね」その言葉に、Aくんもお母さんも勇気付けられました。
個別指導の様子を見せてくれる、と塾長は言いました。Aくんとお母さんは早速見せてもらうことにしました。講師と生徒の顔にはときおり笑顔も浮かび、和やかな雰囲気でした。熱血指導でビシビシと鍛えられるのかと思っていたAくんは安心しました。「楽しくないと、勉強がつまらなくなりますからね。勉強っていうのは、本来楽しいものなんです。新しいことを知ることは楽しいでしょう。楽しければ、言わなくても勉強する。勉強したくなるんですよ。」本当にその通りだとAくんもおかあさんも思いました。
個別指導がある塾のことが、Aくんもお母さんも気に入りました。授業料などを検討して、お父さんと相談しようということになりました。